ga023脳と創造性 week1レビュー

ga023脳と創造性のweek1レビュー

茂木健一郎氏の授業がついに始まった。小・中学生の頃、『世界一受けたい授業』でよく茂木先生を見かけたものだ。「あはっ体験」が懐かしく感じられる。大きな期待と関心を抱きながら、受講してみた。今日は、そのweek1のレビューを書いてみたい。

閃きの瞬間、脳に何が起こっているのだろうか。この問いに有力な解を提示したのがフランシスコ・バレーラ教授率いる研究チームだ。彼らは、隠し図形を用いた実験を行った。隠し図形とは、白黒で描かれた絵のことで、その絵がなんであるかを認識した際の神経細胞の活動(発火)を観察することで、閃きを科学しようとした。驚くべきことに、閃きの瞬間、脳全体の神経細胞が約0.1秒同時発火したという。ここから、閃きは脳の一部の作用ではなく、脳の回路全体にかかわる作用だということが分かった。てっきり、脳の頭頂葉あたりの働きかと想像していたが、そうではなかったようだ。頭の上で電球がパッと光るあのイメージに引きずられていたのだろうか。

それはさておき、神経細胞の発火に関連して、脳科学で重要な法則の一つである、ヘッブ則について触れてみたい。ヘッブ則とは、1949年にカナダの心理学者であったDonald Hebb氏が唱えた仮説で、隣り合う神経細胞が同時に発火すると、その結合部分であるシナプスの結びつきが強化され、この瞬間に学習が起こるという。

ここで、閃きとヘッブ則との関係を整理すると、閃きの瞬間に脳全体で神経細胞が同時発火が起こり、それがシナプスの結合の強化につながり、最終的に学習が行われる、ということだ。そうだとすると、閃きは学習の一プロセスといえるのではないか。これもまた、意外な帰結だ。閃きは何も新しいアイデアが生まれることだけを指しているのではないかもしれない。閃くことで、(学習の一作用として)記憶の整理がなされているのかもしれない。

もちろん、閃きの際の一つの現象として、神経細胞の発火があるのであり、また、神経細胞の発火が学習だけをも意味するわけでもないだろうから、単純にこれらを整理することは適切ではない。しかし、以上の考察を踏まえれば、「閃くことは思い出すことと似ている」という推測も納得いくのではなかろうか。

話が複雑になってきたので、講義の中で気になったこと小ネタを書いてみる。脳の回路には、後頭葉や頭頂葉、側頭葉、前頭葉など様々な種類がある。その中で、側頭葉には記憶を蓄える機能があるそうだ。受験生が鉢巻をして勉強するイメージは広く定着してるが(実際している人はそう多くないと思うけど)、あれは側頭葉を刺激してその働きを高めることにつながるので、理論上効果があるそうだ。こんなことはよく知られた話で、講義を聞いてふと気になったのはこのことではない。

それは、自分がよく何か考え事をしているときに両手で側頭葉のあたりを無意識に抑えていることがある、ということだ。これは、脳科学の立場からすれば正しいことなのだろう。では、オーギュスト・ロダンの『考える人』はどうだろうか。たしかに、いかにも考えてそうな雰囲気は伝わってくるが、実際、考え事をしているときあのポージングを取っている人、あるいは取ったことのある人はそう多くないはずだ。これは、視覚による認識と実際の行動との間にズレがあることを意味しているのであろうか。もちろん、『考える人』のポージングが、考えるという行為を最も体現しているポーズだという前提ありきの議論ではあるが、考察してみるのは面白そうだ。

week1で重要なキーワードは他に、サヴァンとブルーオーシャンと気づきがあるが、少し長くなったので、これらについては読者の方々の興味関心に委ねたい。機会があれば、別の記事で触れたい。

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