Z 会とCourseraが業務提携

所感:Z会とCourseraが切り拓く、日本のグローバル教育


❒❒ 概要 ❒❒

2017年が始まって18日が経ちましたが、MOOCエバンジェリストとしての私にとっては「今年一のニュース」が飛び込んできました。

まずは、プレスリリースをご覧ください。

【Z会グループ×Coursera】大規模公開オンライン講座サービスにおける業務提携契約締結のお知らせ

通信教育を筆頭に日本の教育業界の巨大プレイヤーであるZ会が、世界最大のMOOC(Massive Open Online Courses:大規模公開オンライン講座)を運営するCourseraと業務提携をし、

①「共同ブランド」のサイトの設立

②Courseraのオンライン講座を日本で提供

③日本市場に向けたカスタマイズ開発

を行うとのことです。

今回の提携によって、Z会は

①世界最高峰のネットワークの活用

②世界基準での21世紀型汎用的スキルの習得

を通して、グローバル人材の育成に本格的に取り組むようです。

具体的には、

事業内容(予定)

・両社の共同ブランドのサイトを設立し、Coursera社のオンライン講座を、日本市場に合わせてローカライズ・カスタマイズし、スクーリングと合わせて提供する。
・法人(企業)に対して、ビジネススキルや知識の獲得を目的としたオンライン講座を提供する。また、修了者には、講座を提供する教育機関の修了証をCoursera社より付与する。
・法人(学校)に対して、学習指導要領外の学習の機会としてオンライン講座を提供する。また、修了者には、講座を提供する教育機関の修了証をCoursera社より付与する。
・主に高校生以上のZ会Asteria受講者を中心に、個人の興味関心に応じてお奨めのオンライン講座をご案内する。
プレスリリースより転載)

❒❒ これまでの海外MOOCと日本企業との連携 ❒❒

今回の提携の前にも、日本の企業が海外MOOCと連携する事例はいくつかありました。

①リクルートとUdacity

Udacityは、三大MOOCの一つで、GoogleやFacebookも講座提供をするテクノロジー系MOOCです。リクルートはUdacityが提供するオンライン講座の日本語字幕作成と日本語対応シラバスの紹介を行う。(参考:リクルート、Udacityの7講座の日本語字幕版を新たに公開「コンピュータサイエンス入門」「データサイエンス入門」「モバイルWeb開発」等の日本語受講が可能に

個人的に好きだった、オンライン教育情報サイトEdmapsがサービス撤退をして残念です。。。

②ベネッセとUdemy

Udemyは、世界最大規模のオンライン教育サービスを展開する企業で、事業モデルがCtoCと、いわゆる三大MOOCのとは少し系統が違うのですが、広くMOOCの一種です。ベネッセはUdemyの日本における事業パートナー契約を結んでいます。(参考:Udemy日本版公式サイト

個人的などうでもいい情報ですが、Udemy Tシャツ持ってます!!笑

③Asuka AcademyとMIT OCW

MIT OCWとは、MITのシラバスを公開したもので、全授業がネット上にアーカイブされ誰でもアクセスできる状態になっています。OCWはMOOCの前身で、MOOCとの違いを端的に言えば、コニュニティー機能がついているか否かです。基本的にはOCWは講座の公開までであり、MOOCは学習者が相互に学べる環境(コミュニティー)が用意されています。Asuka Academyでは、MIT OCWで提供されているコンテンツの一部を日本語に翻訳し、日本人学習者に向けて講座を提供しています。

❒❒ 所感 ❒❒

今回の事業提携は、予想しておらず驚きました。よく見れば、Z会とCourseraのロゴの色が似ていることに今気づきました・・・

それはさておき。世界最高峰の授業に、日本語でアクセスできる機会が増えることは大変喜ばしいことです。色んな見方はありますが、MOOCの理念は「Open Education」=「全ての人に最高の教育を」であり、2012年にアメリカで誕生し、世界中の高等教育に波紋を広げました。今や受講者数は5000万人を超えて、まさに教育のプラットフォームになっています。インターネットさえあれば、「だれでも・どこからでも・いつでも、最高の教育にアクセスできる」そんな世界が浸透してきました。

日本でも、2013年秋にJMOOC(日本オープンオンライン教育推進協議会)が設立され、ドコモgacco、ネットラーニング、放送大学、富士通と4つのプラットフォームが存在します。そのユニーク受講者数は、約28万人とまだまだ世界のユーザー数と比べると少ないと言わざるを得ません。言語の問題はあるものの、他の非英語のローカルMOOC(フランス、中国、韓国、タイなど)と比べてもその普及スピードは劣っています。その原因分析は今回は避けますが、「事業モデル」と「危機感」と「大学教育の社会的意義」の差に起因すると私は考えています。

今回の業務提携に対する私の期待は、3つ。

①中高生へのMOOCの認知向上

一番分かりやすい効果ですが、インターネットさえあればハーバード大学やスタンフォード大学などの最高峰の授業が無料で受けられ、自由に自分の関心を深められるという環境にいることを知ることで、やる気のある学生が教室や受験という枠を超えて自由に知的好奇心を爆発させるきっかけになるでしょう。

②グローバルスタンダードで戦う。

①の延長戦ですが、MOOCは世界中の若者が利用しているサービスであり、世界の同世代のレベル感を目の当たりにすることができます。日本では優秀でも、グローバルスタンダードでそのまま通用するとは限らない。「井の中の蛙」であることを知った時に、自然と世界で戦っていくという視野の広がりに貢献することでしょう。

③ログ分析による個別最適化学習の実現

e-learningのメインテーマの一つである「学習ログ」が大量に取得できることになります。取得したログを分析し、その人に最適な学習コンテンツを提供する”Adaptive Learning”(アダプティブラーニング)の実現に、また一歩大きく前進していくことでしょう。スケジュール感が気になるところです。

❒❒ 最後に ❒❒

オンライン教育やEdtech業界に精通している方からすると、ここ数年、AIやDrone、Fintechなどが盛り上がっている一方で、このEdtech業界の風当たりは余りよくありません。しかし、今回のニュースはそんなネガティブな雰囲気を一掃させてくれるインパクトがあります。何事にも浮き沈みのトレンドがありますが、ここ数年沈んでいたEdtech業界がまた盛り上がる起爆剤になる、そんな気配を感じます。私もこれから、この業界で名乗りを上げる身として、この波に乗っかって、新しい教育の時代を切り拓いていきたいと思います。まだ始まったばかりのEduHackですが、「教育こそが最先端」という世界観の実現に向けて邁進します。

❒❒ おまけ ❒❒

そんなZ会は、2月25日に「EdomodoCon」という世界同時中継の教育者向けのオンラインイベントを開催するそうです。関係者はぜひ、参加してみては~

(因みに、当日の私は「40億人のためのビジネスアイデアコンテスト」の最終プレゼンを頑張ります!!そして、27日にはルワンダに発ちます。)

筆者:野口貴裕

 

 

 

 

 

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